はじめに:水を飲んでいても倒れる現場のリアル
「こまめに水を飲んでいたのに倒れた」――このような熱中症の報告が、実際の現場で後を絶ちません。
その理由、ご存知ですか?
実は、「水分補給だけ」では熱中症を完全に防ぐことはできません。
本記事では、現場で多発する熱中症の“本当の原因”と、“正しい対策”をわかりやすく解説します。
なぜ水分補給だけでは不十分なのか?
◆ 大量の汗で失われるのは「水分」だけじゃない
高温下の作業では、水分とともに塩分やミネラルも失われます。
水だけを補給すると、体内の塩分濃度が下がり、「低ナトリウム血症」を引き起こすリスクがあります。
◆ 体がさらに脱水状態に陥る「悪循環」
体液の濃度を保つために汗がさらに出て、水分・塩分ともに失われる悪循環に。
◆ のどの渇きを感じなくなる「自発的脱水」
塩分濃度が低下すると、脳が“もう水はいらない”と錯覚し、のどの渇きを感じにくくなります。
結果として十分に水分を取らなくなる危険な状態に。
熱中症を招く環境・行動・個人要因とは?
- ☀️ 高温多湿、無風、照り返しの強い場所
- 👷♂️ 負荷の大きい作業、通気性の悪い服装、不十分な休憩
- 👵 高齢者・未経験者・暑さに慣れていない人
こうした要因が重なることで、熱中症のリスクは一気に高まります。
現場でできる!正しい熱中症対策
対策項目 | ポイント |
---|---|
✅ 水+塩分・ミネラル補給 | 経口補水液、スポーツドリンク、塩分タブレットなどを活用 |
✅ こまめな休憩 | 10〜20分ごとに休憩+日陰で涼む |
✅ 通気性の良い服装 | 吸湿速乾・帽子・アームカバーも有効 |
✅ 暑さ指数(WBGT)の確認 | 高い時間帯は作業を避ける、調整する |
✅ 日頃の体調管理 | 睡眠・栄養・朝食をしっかりと |
現場責任者の方へ:周知・掲示で事故を防ぎましょう
- 熱中症チェックリストの掲示
- 休憩ポイント・給水ポイントの明示
- 新人や高齢作業員への声かけ・巡回の強化
▶︎ 周囲が気づいてあげる仕組みづくりが重要です。
まとめ:水だけじゃ守れない。だからこそ正しい知識を
熱中症は、「知っていれば防げる」事故です。
特に現場では、水分・塩分・環境・習慣、すべてのバランスが重要です。
あなたの現場で、今日から実践できる対策を、ぜひ始めてください。
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